01😀 楽しみにしていた、土曜日
平日はなかなかまとまった時間がとれない。だからこの土曜を、ずっと心待ちにしていました。
数日前に公開されたばかりの最強AI、Claude Fable 5。当サイトでも 特集を組んで、その実力にすっかりワクワクしていました。 「次の休みは一日じっくりFable 5を使い倒して、サイトの新しい記事も画像も一気に作るぞ」——そう決めていたのが、この土曜日だったわけです。
公開時の盛り上がりは、それはもうすごいものでした。「最強AI推論モデル、ついに誕生」と世界中が沸いて、SNSも記事も“次世代AI”の話題で持ちきり。私もその熱気にすっかり当てられた一人だったのです。
朝、コーヒーを淹れて、パソコンの前に座る。さあやるぞ、とチャット欄に最初のお願いを打ち込んで、送信。 いつもなら、ここでスルスルと賢い返事が返ってくる——はずでした。
ところが、返ってきたのは
見慣れない、そっけないエラーでした。
02⚠ 「モデルは利用できません」
最初は、自分の設定ミスか、一時的な不具合かと思いました。
リロードしても、ログインし直しても、結果は同じ。Fable 5 を選ぶと、必ずこのエラー。 最初は「サーバーが混んでるのかな」「あとで直るだろう」と軽く考えていました。 でも、しばらく経っても復活しない。さすがに気になって、スマホで検索をかけてみたんです。
💻 Claudeアプリだけじゃない。Claude Code でも、APIでも使えない
念のため、ほかの使い方でも試してみました。結論からいうと、どの入り口から使っても同じでした。 Fable 5・Mythos 5 は Claudeアプリ・Claude Code(ターミナルのCLI)・API のいずれでも提供されていましたが、 今回はそのすべてが対象。Claude Code でモデルに Fable 5 を指定すると「モデルは利用できません」、 API で claude-fable-5 を呼んでもエラー、という状態でした。
だから、もし「Claude Code で Fable 5 が使えない」「アプリだけかと思ったら Claude Code も API もだめ」と検索してここに来た方も、 原因は同じこの全面停止です。自分の環境やインストールのせいではありませんので、再インストールやログインし直しで直そうとして時間を溶かす必要はありません(私はしばらく溶かしました)。
——そして検索で出てきた見出しを見て、思わず手が止まりました。これは、よくある「障害」ではありませんでした。
03🔎 調べてわかった、本当の理由
単なるシステム障害ではなく、もっと大きな——国レベルの話でした。
ITmedia や Impress Watch といった大手メディアが、いっせいに報じていました。要点を整理すると、こういうことです。
📰 何が起きたのか(報道の要点)
- 米政府が国家安全保障上の権限にもとづく輸出管理指令を発出し、外国籍者による Claude Fable 5・Mythos 5 へのアクセス停止を求めた。
- 指令は米東部時間 6月12日 午後5時21分、ラトニック商務長官から Anthropic のアモデイCEO宛ての書簡で届いた。
- これを順守するため、Anthropicは両モデルを全ユーザー向けに即時停止。日本時間6月13日から、私たちも使えなくなった。
- 政府が挙げた理由は、ある企業がFable 5 の安全機能を回避する「ジェイルブレーク」に成功したこと。
- 停止は Fable 5 と Mythos 5 の2モデルのみ。ほかのClaudeモデルは影響を受けない。
つまり私のあの「モデルは利用できません」は、バグでも回線のせいでもなく、地球の裏側で出された一通の政府の書簡が、巡り巡って土曜の朝の私の画面に届いた——ということだったのです。なんとも、現実離れした話でした。
⏱ 私の土曜の、ざっくりした流れ
- 朝 — コーヒー片手に「今日はFable 5で一日遊ぶぞ」と起動。
- 直後 — 「モデルは利用できません」。設定ミスを疑い、再ログイン・リロードを繰り返す。
- しばらく後 — 直らないので検索。大手メディアの速報にたどり着く。
- 理解 — 障害ではなく、米政府の指令による全面停止だと知る。脱力。
楽しみにしていた一日の予定が、
ニュース速報で書き換わった瞬間でした。
04💬 Anthropicは、どう言っているのか
ただ黙って従ったわけではなく、Anthropicははっきり反論していました。
🗣 Anthropicの主張(報道より)
Anthropicは政府の指令の根拠を自社で検証したうえで、見つかったのは軽微な既知の脆弱性にとどまると説明。 さらに、同等の手法は OpenAI の GPT-5.5 など他社の公開モデルでも利用可能であり、 「限定的なジェイルブレークの可能性だけで、すでに数億人に展開された商用モデルを回収すべき、という主張には同意できない」と反論しています。 そのうえで今回の指令を「誤解にもとづくもの」と位置づけ、「可能な限り早くアクセスを復旧する」と表明しました。
📌 Anthropicの反論を、3点で整理すると
- 危険性の評価が違う:政府が問題視した手口は、自社検証では軽微な既知の脆弱性にとどまる。
- Fable 5 だけの話ではない:同等の手法は OpenAI の GPT-5.5 など他社の公開モデルでも可能で、Fable 5 を名指しで止める根拠に乏しい。
- 復旧の意思は明確:指令を「誤解にもとづくもの」とし、可能な限り早くアクセスを復旧すると表明。復旧すれば、Claudeアプリでも Claude Code でも、また Fable 5 を選べるようになる見込み。
いちユーザーの立場としては、どちらの言い分が正しいのかを断じることはできません。 ただ、「ある日とつぜん、国の判断で“いちばん賢い道具”が取り上げられることがある」—— この事実を、自分の土曜日をもって体験してしまった、というのは、なかなか考えさせられるものがありました。
便利なAIは、もはや電気や水道に近い「日常のインフラ」になりつつあります。 そのインフラが、技術的な理由ではなく政治や安全保障の都合で止まりうる。 AIを使い倒す側になるほど、この危うさも一緒に引き受けることになるんだな、と妙に納得しました。
05🛟 復旧までの、現実的な対策
嘆いていても作業は進みません。エラー画面の案内が、じつはそのまま答えでした。
思い出してください。あのエラーには「続けるには、モデル選択から別のモデルに切り替えてください。」と書いてありました。 そう、止まっているのは Fable 5 と Mythos 5 の2モデルだけ。ほかのClaudeは元気に動いています。
✅ いま、やったこと・できること
- 別モデルへ切り替える:モデル選択メニューから、Claude Opus 4.8 など利用可能なモデルを選ぶ。Claude Code でも同じくモデルを切り替えればそのまま使えます(Fable 5 のときだけエラーになる)。多くの作業はこれで十分こなせます。
- 急がない作業は後回し:「どうしてもFable 5でやりたい」凝った作業だけ、復旧後にとっておく。
- 最新情報を待つ:復旧時期は未定。各報道とAnthropic公式の発表をときどき確認する。
実際この記事も、Fable 5 の復旧を待たずに、別モデルに切り替えて書き進めています。 「最強じゃないと何もできない」わけではない——というのは、こういう日にこそ実感する、ちょっとした学びでした。
06🌙 結び — はやく帰ってきてね、Fable 5
残念な土曜にはなったけれど、悪いことばかりでもありませんでした。
楽しみにしていた「Fable 5 で遊び倒す日」は、おあずけ。正直、がっかりしました。 でもそのおかげで、AIという道具が世界情勢とどれだけ地続きかを、身をもって知ることができた一日でもありました。 そして、こうして体験記という一本の記事も生まれました。転んでもただでは起きない、ということにしておきます。
Anthropicは「可能な限り早く復旧する」と言っています。その日が来たら、また心ゆくまで使い倒すつもりです。 同じように「あれ、Fable 5 使えない?」と検索してこのページにたどり着いた方の、「なんだ、自分のせいじゃなかったのか」という安心に少しでもなれたなら、書いた甲斐があります。
はやく帰ってきてね、Fable 5。
——その日まで、別のモデルと頑張ります。
📚 出典・参考
- ITmedia NEWS「『Claude Fable 5』『Mythos 5』全面停止 米政府の指令により Anthropicは早期復旧を宣言」(2026年6月13日)
www.itmedia.co.jp/news/articles/2606/13/news026.html ↗ - Impress Watch「アンソロピック、Fable 5などミュトス級AIモデルを公開停止 米国政府が指令」(2026年6月13日)
www.watch.impress.co.jp/docs/news/2116932.html ↗
※ 本ページは上記報道(ITmedia NEWS/Impress Watch、いずれも2026年6月13日)にもとづく、当サイト運営者個人の体験記です。事実関係は報道時点の情報であり、復旧状況などは変化する可能性があります。最新かつ正確な情報は、各報道機関およびAnthropicの公式発表をご確認ください。掲載のエラー画面は、実際に表示された内容を当サイトが図として再現したものです。